整体で解決!ストレートネックのリスクとケア

整体師として18年間、多くの患者さんの首の不調を診てきました。その中でも特に増えているのが「ストレートネック」の症状です。パソコン作業やスマートフォンの使用が増えた現代では、ストレートネックはもはや“現代病”と言っても過言ではありません。

本記事では、ストレートネックのリスクと整体による改善方法について、私の経験を交えてお話しします。日本赤十字和歌山センタ様の記事はこちら

ストレートネックとは?

私が整体師として働き始めて18年。近年、特に気になっているのが「ストレートネック」の患者さんの増加です。

つい先日も、印象的な患者さんが来院されました。IT企業で働く28歳の山田さん(仮名)。「首が痛い」「肩がこる」「頭痛がする」という主訴でしたが、レントゲン写真を見せていただいて、私は思わずため息をつきました。本来なだらかなカーブを描くはずの首の骨が、まっすぐに伸びていたのです。

ストレートネックとは、首の骨(頸椎)が本来持っているはずのC字カーブが失われ、まっすぐになってしまう状態を指します。現代人の多くが陥りやすい症状ですが、放置すると深刻な健康上の問題を引き起こす可能性があります。

山田さんの場合、スマートフォンとパソコンの使用時間が1日12時間を超えていました。「気づいたら首が前に出ていた」と話す彼の姿勢は、まさにストレートネックの典型でした。

ストレートネックのリスク

ストレートネックが引き起こす問題は、単なる首の痛みだけではありません。整体の現場でも、さまざまな症状と関連していることを実感しています。私の臨床経験から、ストレートネックがもたらすリスクを以下のようにまとめています:

1. 慢性的な首・肩こり

ストレートネックになると、頭の重みが首や肩に直接のしかかります。通常、頸椎のカーブがクッションの役割を果たしてくれますが、それが失われることで、筋肉への負担が増大し、慢性的なコリが発生します。

2. 頭痛やめまい

首のカーブがなくなることで、血流が悪くなり、脳への酸素供給が滞ることがあります。その結果、頭痛やめまい、さらには集中力の低下を引き起こすこともあります。

3. 神経への圧迫
首のカーブが失われることで、脊髄や神経根への負担が増加します。10年前に来院された40代の女性は、手のしびれに悩まされていましたが、これもストレートネックが原因でした。

4. 自律神経の乱れ
首の状態は自律神経にも影響を与えます。めまいや吐き気、不眠といった症状を訴える方も少なくありません。

ストレートネックへの整体的アプローチ

では、どのようにアプローチすれば良いのでしょうか?

私が特に重視しているのが、「段階的な改善」です。急激な矯正は逆効果になることがあります。15年前、ある患者さんの治療で失敗した経験から、この教訓を学びました。

当院での基本的なアプローチは以下の通りです:

1.頸椎の調整

頸椎の可動域を改善し、失われたカーブを取り戻すために、首の骨のバランスを整える施術を行います。ただし、一度で劇的な変化を求めるのではなく、少しずつ正常なカーブに戻していくことが大切です。

2. 背骨と骨盤の調整

首だけでなく、背骨や骨盤の歪みもストレートネックに影響を与えることがあります。特に骨盤が後傾すると、猫背になり、首が前に出る姿勢になりやすくなります。整体では、全身のバランスを整えることで根本からの改善を目指します。

3. 肩甲骨周りの筋肉のほぐし

ストレートネックによって肩甲骨の動きが悪くなるため、肩甲骨周りの筋肉をほぐし、柔軟性を取り戻す施術を行います。これにより、首や肩への負担を軽減することができます。

4. 深層筋へのアプローチ
首の深い層にある小さな筋肉(深層筋)にまずアプローチします。この筋肉群は姿勢保持に重要な役割を果たしています。

自宅でできるストレートネックのケア

山田さんの場合、このアプローチに加えて、日常生活での改善策もアドバイスしました。特に効果的だったのが、スマートフォンの使用方法の見直しです。

「スマートフォンは目線の位置まで持ち上げる」「1時間に1回は首のストレッチを行う」という単純なアドバイスですが、これだけでも大きな変化が現れます。

3ヶ月後、山田さんの首の状態は劇的に改善。頭痛も軽減し、肩こりもほとんど感じなくなったと報告してくれました。

ここで重要なのが、予防的なケアです。私は患者さんに以下のような「首のセルフケア」を指導しています:

1. タオル枕の活用
就寝時に小さく丸めたタオルを首の下に入れることで、適度なカーブを維持します。

2. 首のぶら下げストレッチ
椅子に座った状態で、ゆっくりと首を前に倒し、30秒ほどキープ。これを1日3回行います。

3. 姿勢チェック

スマートフォンやパソコン作業時の姿勢を意識的にチェック。特に首の位置に注意を払います。

ストレートネックは、現代社会が生んだ新しい健康課題と言えます。しかし、適切なケアと生活習慣の改善で、必ず良い方向に向かうことができます。

18年の経験を通じて、私は確信を持って言えます。早期発見と適切な対応が、ストレートネックの改善には不可欠なのです。

ストレートネックは、首や肩の不調だけでなく、頭痛や自律神経の乱れなど、さまざまなリスクを引き起こします。しかし、整体で適切な施術を受け、日常生活での姿勢やストレッチを意識することで、改善が可能です

 

 

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